LPOとは?基礎知識からCVR改善施策、事例までを徹底解説!
LP(ランディングページ)を制作したはいいものの、
・なかなかCVRが上がらず、思ったように集客ができない
・広告のクリック率は高いのに、CV数が伸びない
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、LPは作って終わりではなく、継続的な検証と改善によってはじめて最大限の効果を発揮します。本記事では、LPを最適化してCVRを高めるLPOについての基礎知識や、手順、具体的な改善施策を徹底解説します。
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LPOは「ランディングページ最適化」の略で、LPを改善することでCVRを最大化させる戦略的アプローチです。
CVR改善に効果的ですが、やみくもにLP改修やABテストを行うだけでは成果に繋がりません。
LPO初心者の多くは、LPの見た目を改修することばかりに気を取られて根本的な部分の改善ができず、失敗に繋がってしまうケースがよくみられます。
LPを根本から改善し、CVRを最大化するためには「ユーザー目線」で考えることが重要です。
そこで、LPOでCVRの改善をしたいとお考えの方に向けて、ユーザー目線で考える際に最も重要な2つの観点をご紹介する資料をお届けします。
この資料をご覧いただくと、たった10分でLPOの攻略術が学べます。
ぜひ参考にしてください。
目次
- LPO(ランディングページ最適化)とは
- LPOの重要性
- そもそもどういう場合にLPOが必要なのか?
- SEOやEFOとの違いは?
- LPOを実施するメリット
- LPO実施の流れ
- LPOの課題分析と仮説検証に用いるツール6選
- LPOのよくある失敗例
- LPOでCVRを改善するための5つの施策
- CVR改善に繋がったLPOの事例紹介
- LPOで成果を出すために注意すべき3つのポイント
- <参考>LPOにかかる費用相場
- おすすめの優良LPO代行会社5選
- まとめ
LPO(ランディングページ最適化)とは
LPOとは、LPをユーザーのニーズに合わせて改善し、CVR(コンバージョン率)を高めるWeb施策です。「Landing Page Optimization」の略称で、日本語では「ランディングページ最適化」と訳されます。
LPには2つの意味があり、広義ではユーザーがサイトを訪問した際に最初に表示されるページのことを指します。狭義ではお問い合わせや会員登録、商品購入など、企業にとって何らかの収益に繋がるアクション(CV)へとユーザーを誘導することに特化したページのことを指します。
本記事では、後者のCV獲得を目的としたLPを対象としたLPOについて解説します。
LPOの重要性
LPOは単にCVRを高めるだけでなく、Web広告に投資したコストの費用対効果を高めることを目的とした施策でもあります。
現在、Web広告への投資は大企業だけでなく、中小企業や地方の企業にとっても当たり前となりました。統計データからも分かる通り、Web広告費はテレビ広告費を上回り、今後も増加傾向にあります。
現代では、AI技術によって誰でも手軽にWeb広告の運用が可能となりました。具体的な例として、Googleの最適化提案が挙げられます。最適化提案とは、GoogleがAIを活用して入札価格やキーワード、広告文などを改善し、予算を効果的に活用する方法を提案してくれるものです。
しかし、広告運用が誰にでも可能になった今、他社と競争し、コンバージョン数を最大化するためには広告の最適化だけでは非常に困難です。Googleも最終的な成功要因はLPの改善にあると指摘しています。
また、Web集客施策は一定の段階で成果が頭打ちになることがあります。幅広い層にリーチできても、関心のない人々にまで広告が表示されるため、広告費がかさみながらコンバージョン率が伸び悩み、費用対効果が低下してしまうケースがあります。
そのため、LPを最適化することで、クリック数を増やすだけでなく、1回の表示で得られる効果を最大化することが重要なのです。
そもそもどういう場合にLPOが必要なのか?
LPOはランディングページの成果を最大化するための戦略であり、トラフィックが十分にあっても、そのトラフィックを有効に活用できなければ意味がありません。LPO(ランディングページ最適化)が必要な場合として、以下の状況が挙げられます。
コンバージョン率が低い
ランディングページへのアクセスがあるにもかかわらず、ユーザーが望む行動(購入、登録、問い合わせなど)に至らない場合、LPOが必要です。ランディングページに流入してくるトラフィックいくらあっても、そのトラフィックをコンバージョンに結びつけることができなければ、ビジネス目標を達成することができません。
広告の効果が低い
広告でランディングページへの流入を増やしたにも関わらず、コンバージョンが伴わない場合、広告とランディングページの連動性やメッセージの一貫性に問題がある可能性があります。この場合、LPOを行い、広告とランディングページの相互適合性を高める必要があります。
競合他社と比較して成果が低い
類似のビジネスが同じようなランディングページを使用しているにもかかわらず、競合他社に比べてコンバージョン率が低い場合、自社のランディングページに改善の余地がある可能性があります。この場合、LPOを行い、ランディングページを競合他社と差別化し、訪問者の関心を引き付けるように改善することが重要です。
ユーザーフィードバックから改善の余地がある
ユーザーからのフィードバックや調査結果から、ランディングページの使いやすさや理解しやすさに関する改善の要望がある場合、それらの要望に応えるためにLPOを行うことが重要です。
SEOやEFOとの違いは?
LPOとSEOの違い
SEOは「Search English Optimization」の略称で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。SEOとは、検索エンジンからWebサイトに訪れるユーザーを増やすために、特定のキーワードで検索結果に上位表示させる施策を指します。
一言でいえば、SEOはアクセス数アップを目的とした施策で、LPOはWebサイトにアクセスしたユーザーをCVまで導くことを目的とした施策です。
SEOとLPOは目的の異なる施策ですが、SEOでより多くのユーザーを集客し、LPOで適切な接客をするというように、それぞれが関連し合っているといえます。
SEOで集客できていても、LPOで適切な接客ができていなければ訪問客を逃してしまいますし、その逆も同様です。いくら接客が優れていても、そもそも集客ができていなければ収益には繋がりません。すでにある程度集客ができているのに、CVRが伸びないという場合はLPOに取り組みましょう。一方で、LPの訪問数が少ない場合には、SEO対策をはじめとした集客施策を優先させましょう。
LPOとEFOの違い
EFOは「Entry Form Optimization」の略称で、日本語では「入力フォーム最適化」や「エントリーフォーム最適化」と訳されます。その名の通り、エントリーフォームでのユーザーの離脱を防ぎ、入力完了率を高めるための施策を指します。
Webサイトで商品を購入したり、資料を請求したり、予約をしたりする際には、個人情報の入力が必要になりますよね。このとき、入力項目が多すぎたり、入力後のエラーで最初から入力することになってしまったりすると、ユーザーにとってストレスとなり、CVまであと一歩のところでの離脱を生んでしまいます。
LPOがサイトの入口としてのLPを最適化する施策であるのに対し、EFOはサイトの出口となるエントリーフォームを最適化する施策であるという違いはありますが、ユーザーをCVまで導くという目的は共通しています。
EFOでLPのコンバージョン率を改善する方法については「即実践できる入力フォーム改善施策!CVRを上げるテクニック大公開」で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
LPOを実施するメリット
LLPOを実施するメリットは以下の通りです。
コンバージョン率が最大化できる
ランディングページの訪問者が望む行動(購入、登録、問い合わせなど)に至る確率を高めることができます。LPOを行うことで、ユーザーの興味を引き付け、行動を促進する要素を最適化することができます。
広告費用対効果(ROAS)が向上する
LPOを通じてランディングページの品質が向上し、コンバージョン率が上がることで、広告費用対効果(ROAS)が向上します。つまり、同じ広告費用でより多くのコンバージョンを獲得することができます。これにより、マーケティングの効果を最大化し、ROI(投資対効果)を向上させることができます。
ユーザーエクスペリエンスが向上する
ユーザーが使いやすく、理解しやすいランディングページを提供することで、ユーザーエクスペリエンスが向上します。ユーザーエクスペリエンスの向上は、ユーザーの満足度や信頼度を高め、長期的な顧客関係の構築にも繋がります。
データに基づいた客観的な評価と効果的な施策の実施ができる
LPOを実施することで、データ分析やA/Bテストなどの手法を用いてランディングページの効果を評価し、改善の方向性を把握することができます。データに基づいたアプローチによって、客観的な評価と効果的な施策の実施が可能になります。これにより、ランディングページのパフォーマンスを最適化し、ビジネス成果を最大化することができます。
競合他社との差別化が図れる
LPOを通じて、ユニークなコンテンツやデザインを提供することで、競合他社との差別化を図ることができます。自社のランディングページが他社と異なる価値を提供し、訪問者の関心を引き付けることで、競合他社よりも優位に立つことができます。
成果の継続的な改善ができる
LPOを定期的に実施することで、ランディングページのパフォーマンスを継続的に改善することができます。ユーザーのニーズや市場の変化に合わせて、適切な改善施策を実施し、成果を最大化することが可能です。継続的な改善によって、競争力を維持し、ビジネスの成長を促進することができます。
LPO実施の流れ
闇雲にLPを修正しても、思ったように効果が出ないどころかページの価値を落としてしまう可能性もあります。
LPOにとって重要なのは、現状の問題点を正しく把握してから、仮説に基づいた改善施策を実施し、その後効果検証を行うという一連のPDCAサイクルを回すことです。
正しい手順で実施することで、LPのパフォーマンスを最大化させることができます。ここでは、各ステップで具体的にどのようなことを行うのかを詳しく解説します。
1.現状を分析し、問題点を洗い出す
まず、現状のLPのどこにどのような課題があるのかを洗い出します。課題を明らかにする際には「デザインが古い」「この文言にインパクトが足りない気がする」といった主観的な考えは重要ではありません。
解析ツールや分析ツールを使用して、定量分析と定性分析をしっかりと行い、ユーザーが実際にどのように行動しているかや、何を求めているのかを把握することが大切です。
分析にはツールの使用だけでなく、ユーザーテストやアンケートの実施も効果的です。客観的な評価が得られるため、自分たちでは気づけなかった課題を発見するきっかけにもなるでしょう。
分析の際には、例えば以下のような点に着目します。
・CV数、CVR、PV数、セッション
・閲覧ユーザーの性別や年代などの属性
・ページの表示速度
・どのデバイスで見られているか?
・流入、CVの多い広告はどれか?
・どのCTAボタンがどのくらいクリックされているか?
・ユーザーの検索キーワードは何か?
・離脱ポイントはどこか?
・どのコンテンツがよく見られているか?
データ分析をする際は、数値を見るだけでなく、ユーザーのモチベーションや具体的な行動を意識するようにしましょう。「なぜそのような数値になっているのか」を明確にすることで、課題が発見しやすくなります。
2.仮説を立て、改善施策を決める
次に、分析によって明らかになった問題点について仮説を立て、具体的な改善施策を決めていきます。例えば、以下のような例が挙げられます。
例1.直帰率が高く、ページの滞在時間が極端に短い
【仮説】
1.ページの読み込み速度が遅く、表示される前にユーザーが離脱してしまっている。
2.FV(ファーストビュー:ユーザーがページにアクセスしたときに最初に表示される画面)のキャッチコピーやデザインが広告文やユーザーニーズにマッチしていない。
【改善施策】
1.GoogleのPage Speed Insightなどを用いてページの表示速度に問題がないか確認し、表示スピードの改善を行う。
2.FVのキャッチコピーやデザインを見直し、広告文とズレがある場合は統一させる。複数のパターンでA/Bテストを実施し、効果がみられたパターンを採用する。
例2.ページの滞在時間は長いのにCVに至らない
【仮説】
1.CTAボタンを適切な位置に設置できていないため、ユーザーが内容に興味を持ったタイミングでスムーズにフォームに移動できず、離脱してしまう。
2.ユーザーが欲しい情報を見つけられていない。
3.最後のひと押しになるようなコンテンツや文言がないため、CVに至らない。
【改善施策】
1.ユーザーがどのタイミングでも入力フォームに遷移できるようにCTAボタンをヘッダーに固定する。また、よく読まれているコンテンツの終了部分にも配置する。ユーザーがCTAボタンを探さなくても見つけられるように、色や文言をわかりやすいものに変更し複数のパターンでA/Bテストを実施する。
2.コンテンツの順序を変えてA/Bテストを行う。グローバルナビを設置し、ナビ内のメニューを見直す。
3.導線を意識し、ユーザーにとってメリットのある情報の後にCTAボタンを配置する。「期間限定15%オフ」「今なら送料無料」など、CVへのハードルを下げるオファーを追加する。
3.改善施策を実施し、効果を測定する
仮説を立てたら改善施策に基づいて改修をしましょう。仮説の検証にはA/Bテストが効果的です。
A/Bテストとは、一部の要素が異なる2つのページを同じ条件で運用し、どのパターンが最も効果が高いのかを判定するための手法です。LPにアクセスしたユーザーにパターンAとパターンBをランダムで表示し、一定期間でそれぞれのユーザーの反応を検証します。検証の結果、効果が高かったパターンを採用し、改善がみられなかった場合は再テストすることで、LPのパフォーマンスを向上させることができます。
4.「分析→仮説→検証」を繰り返す
LPOは一つの施策を行ったからといって、すぐにCVRが改善するとは限りません。また、施策を行ったことで、元のLPよりCVRが低下してしまう可能性もあります。さまざまな視点で「分析→仮説→検証」を何度も繰り返し、少しずつ最適化していくのが現実的です。
また、一度成果が出ても、そのパフォーマンスが継続するわけではありません。自社の製品やサービスに関わる市場や外部環境、ユーザーなどのさまざまな要素が変化するため、思いのほか効果が持続しないこともあります。そういった場合には、最新のデータに基づいて、再度仮説を立ててみましょう。
LPOを継続しても効果がみられない場合は、そもそもペルソナやターゲットが適切ではない可能性があります。データ分析やA/Bテストによって得られた結果をもとにペルソナを再設定し、LP全体の構成を見直しましょう。
LPOの課題分析と仮説検証に用いるツール6選
LPO(ランディングページ最適化)で使用する主要な6つのツールの特徴、役割、および具体的な使用例を解説します。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは、ウェブサイトやランディングページのトラフィックや訪問者の行動を追跡・分析するためのツールです。
アクセス解析ツールの特徴
アクセス解析ツールを使用して、ウェブサイトのトラフィックやコンバージョン率などのパフォーマンスを評価したり、訪問者の行動やコンバージョン率に影響を与える要因を特定したりすることができます。これにより、ウェブサイトの効果や課題を把握し、改善の方針を立てることが可能です。
アクセス解析ツールの使用例
- ページビューやセッション数の分析:Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを使用して、ウェブサイト全体や特定のページのページビューやセッション数を分析し、トラフィックの傾向を把握します。
- リファラーの分析:ウェブサイトに訪れるトラフィックの源泉(リファラー)を分析します。どのサイトやソーシャルメディアからのトラフィックが多いかを把握し、マーケティング戦略の評価を行います。
- コンバージョン率の追跡:ウェブサイトでのコンバージョンイベント(購入、登録、問い合わせなど)の数や率を追跡します。コンバージョン率が低いページやポイントを特定し、改善施策を検討します。
ヒートマップツール
ヒートマップツールは、ウェブページ上での訪問者のクリック、スクロール、マウスの動きなどを視覚的に示すツールです。ページ上の要素ごとに色や濃度を使って訪問者の行動パターンを可視化します。クリックやスクロールなどの活動が多い箇所は濃い色で表示され、注目度の高い領域を示します。これにより、ページ上の要素の注目度や効果を分析することができます。
ヒートマップツールの特徴
- クリックパターンの分析:ページ上のどの要素が訪問者のクリックを集めているかを分析します。これにより、クリック率の高い箇所や効果的なリンクの配置を特定し、ページの改善を行います。
- スクロールの可視化:ページをスクロールする際の訪問者の動きを示します。ページの下部までスクロールされているかどうかや、スクロールの停止箇所を把握し、コンテンツの配置や長さを最適化します。
- 注目度の分析:ページ上のどの部分が訪問者の注目を集めているかを示します。これにより、特定のコンテンツや要素が効果的であるかどうかを評価し、ページのデザインやコンテンツの改善を行います。
ヒートマップツールの使用例
Crazy EggやHotjarなどのヒートマップツールを使用して、ランディングページのレイアウトやコンテンツの改善を行います。
- ボタンやリンクの効果の分析:ボタンやリンクが訪問者のクリックをどれだけ集めているかを分析します。クリック率の低いボタンやリンクを特定し、改善のための施策を検討します。
- ページ全体の注目度の分析:ページ全体の注目度の高い領域や低い領域を把握します。注目度の高い箇所には重要なコンテンツを配置し、訪問者の関心を引き付けます。
ヒートマップツールを活用してコンバージョン率を改善する方法については「ヒートマップ分析とは?CVR改善に繋げる活用ポイントを徹底解説」で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、ウェブサイトのパフォーマンスを理解し、Google検索エンジンでの表示状況を追跡するための無料のツールです。
Googleサーチコンソールの特徴
ランディングページの検索エンジン上での表示状況やクリック数、クリック率を把握し、SEO対策やコンテンツ改善の方針を決定します。
- SEO対策の支援:ウェブサイトがGoogle検索エンジンでどのように表示されているかを把握し、SEO対策の方針を立てます。表示されている検索結果やクリック率を分析し、タイトルやメタディスクリプションの改善、サイトのインデックス状況の確認などを行います。
- 検索エンジン上の可視性の向上:ウェブサイトの表示状況や検索クエリのデータを分析し、検索エンジン上での可視性を向上させます。表示される検索結果やクリック数を最適化し、ユーザーの関心を引き付けます。
- ウェブサイトの健全性の確保:Googleサーチコンソールは、ウェブサイトの健全性を確保するための重要なツールです。クロールエラーの解決やサイトマップの提出など、Webサイトの技術的な問題を特定し、修正します。
Googleサーチコンソールの使用例
- Webサイトの表示状況の確認:WebサイトがGoogle検索エンジンでどのように表示されているかを確認します。表示されている検索結果やクリック数を分析し、表示されるタイトルやメタディスクリプションを最適化します。
- 検索クエリの分析:Googleサーチコンソールを使用して、Webサイトサイトに関連する検索クエリのデータを分析します。検索クエリごとの表示回数やクリック数、クリック率を確認し、人気のあるキーワードや改善のための施策を特定します。
ユーザー行動観察ツール
ユーザー行動観察ツールは、ウェブサイト上での訪問者の行動をリアルタイムで観察し、分析するためのツールです。これにより、訪問者の行動パターンやウェブページの利用状況を把握し、ユーザーエクスペリエンスの向上やコンバージョン率の改善などの施策を立てることができます。
ユーザー行動観察ツールの特徴
- リアルタイムの行動データ収集:ユーザー行動観察ツールは、ウェブサイト上での訪問者の行動をリアルタイムで収集します。マウスの動きやクリック、スクロールなどの行動が記録され、分析に活用されます。
- 行動パターンの可視化:ユーザー行動観察ツールは、収集した行動データを可視化し、視覚的なインターフェースで表示します。これにより、訪問者の行動パターンや傾向を直感的に把握することができます。
- 問題点の特定:ユーザー行動観察ツールは、訪問者がウェブサイト上で遭遇する問題点や障害を特定するのに役立ちます。スクロールの停止点やクリックが多い領域などの情報を分析し、改善すべきポイントを特定します。
ユーザー行動観察ツールの使用例
MouseflowやInspectletなどのユーザー行動観察ツールを使用して、ユーザーのページ滞在時間や離脱ポイント、ページ遷移のパターンなどを分析し、ユーザー行動に基づいた改善を行います。
- ページのスクロールパターンの分析:ユーザー行動観察ツールを使用して、ウェブページ上での訪問者のスクロールパターンを分析します。スクロールの停止点やページの最下部までのスクロール率などを把握し、ページのレイアウトやコンテンツの改善を検討します。
- クリックパターンの分析:ユーザー行動観察ツールを使用して、ウェブページ上での訪問者のクリックパターンを分析します。クリックが多い領域やクリックされない領域を特定し、ナビゲーションやCTAの配置を最適化します。
A/Bテストツール
A/Bテストツールは、複数のバージョン(AとB)のコンテンツやデザインを比較し、それぞれのバージョンの効果を測定するためのツールです。
A/Bテストツールの特徴
ユーザーがランディングページにアクセスする際に、AグループとBグループにランダムに割り振られ、それぞれ異なるバージョンのページを表示します。ユーザーの行動データを収集し、異なるバージョンのランディングページのコンバージョン率や他の指標を比較して、最適なバージョンを特定することができます。
A/Bテストツールの主な役割は、ランディングページの効果的な改善を支援し、データに基づいた意思決定を促進することです。
異なるバージョンの要素(ヘッドライン、コピー、画像、CTAなど)を比較して、ユーザーの反応やコンバージョン率の変化を評価し、最適なデザインやコンテンツを特定します。
A/Bテストツールの使用例
- ボタンの色やテキストの変更:A/Bテストツールを使用して、ボタンの色やテキストを異なるバージョンでテストします。例えば、赤色のボタンと青色のボタンを比較し、クリック率やコンバージョン率の変化を評価します。
- レイアウトの変更:異なるレイアウトや配置のバージョンを比較して、訪問者の注目度や行動パターンの変化を評価します。例えば、画像とテキストの配置を入れ替えたバージョンを比較し、クリック率や滞在時間の変化を評価します。
- コピーの変更:キャッチコピーや説明文の異なるバージョンを比較して、訪問者の興味や理解度の変化を評価します。例えば、商品の特徴を強調したコピーと価格競争力を強調したコピーを比較し、コンバージョン率の変化を評価します。
A/Bテストを活用してコンバージョン率を改善する方法については「ABテストでCVR改善!テストの流れから注意点まで徹底解説」で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
LPOツール
LPOツールは、ランディングページの設計、テスト、分析を効率化するための統合ツールです。ランディングページの効果的な改善を支援し、コンバージョン率の向上やビジネス成果の最大化を目指します。
LPOツールの特徴
- A/Bテスト: LPOツールはA/Bテストを実施する機能を提供します。複数のバージョンのランディングページを作成し、それらのバージョンを訪問者にランダムに表示して、効果を比較します。これにより、最適なデザインやコンテンツを特定し、コンバージョン率を向上させることができます。
- パーソナライゼーション: 訪問者の属性や行動データに基づいてコンテンツを個別に最適化する機能を提供します。例えば、訪問者の地理的位置や過去の行動履歴に基づいて、異なるコンテンツを表示することができます。
- ヒートマップとクリックマップ: ページ上での訪問者の行動を可視化するためのヒートマップやクリックマップを提供します。これにより、訪問者の行動パターンや注目度の高い領域を把握し、ページの最適化を行います。
- フォームの最適化: フォームのデザインやレイアウトを最適化する機能を提供します。フォームの項目数やフォームの長さなどが訪問者の離脱率に与える影響を分析し、最適なフォーム設計を行います。
LPOツールの使用例
OptimizelyやVWO(Visual Website Optimizer)などのLPOツールを使用して、異なるバージョンのランディングページをテストし、最適なデザインやコンテンツを特定し、コンバージョン率の向上を図ります。
- LPOツールを使用して、異なるバージョンのランディングページを作成し、A/Bテストを実施します。例えば、異なるヘッドラインや画像、CTAなどをテストして、コンバージョン率の向上を図ります。
- LPOツールを使用して、訪問者の属性や行動データに基づいてコンテンツを個別に最適化します。例えば、地域ごとに異なるキャンペーンを表示したり、過去の購買履歴に基づいて関連性の高い商品を提示します。
LPOのよくある失敗例
LPO(ランディングページ最適化)の失敗例としてよく見られる4つのパターンについてご紹介します。
集客施策を最適化できていない
多くの場合、LPOの失敗はランディングページそのものの問題ではなく、トラフィックをページに誘導する施策自体の問題に起因します。
例えば、広告やメールマーケティングなどの集客施策が不十分であったり、ターゲットに合わないチャネルを使用している可能性があります。良いランディングページを持っていても、それに適したトラフィックがなければ、コンバージョンが得られません。
そのため、集客施策が十分に最適化できていない場合は、LPOよりも広告運用改善などから優先度に取り組むことをおすすめします。
ペルソナの設定が抽象的すぎる
ペルソナは、ターゲットユーザーの特性やニーズを具体的に把握するための重要な要素です。
しかし、ペルソナが抽象的である場合、ランディングページのメッセージやコンテンツが適切に訴求できません。例えば、年齢や性別、職業、興味関心などの具体的な情報がない場合、ページの効果的な最適化が困難になります。
検索キーワードとLPの訴求内容にズレがある
検索キーワードや広告のメッセージと、ランディングページの訴求内容やコンテンツが一致していない場合、訪問者は混乱し、ページから離脱する可能性が高まります。
ユーザーが期待する情報や体験を提供することが重要です。キーワードとランディングページのコンテンツを整合させることで、ユーザーの期待に応えられるページを構築します。
ページ外へのリンクが多い
ランディングページから外部のリンクが多い場合、訪問者はページを離れる可能性が高まります。特に、競合他社の広告や関連情報へのリンクが多いと、訪問者は競合のサイトに移動してしまうかもしれません。
ランディングページは、訪問者がコンバージョンを達成するための情報や行動を促すために設計されるべきです。そのため、ページ外へのリンクは最小限に留めることが重要です。
LPOでCVRを改善するための5つの施策
ここからは、LPOでコンバージョン率を改善するために優先的に取り組むべき施策をご紹介しています。
LP改善施策については「LP改善のチェックポイント24選!手順やCVRを最大化するコツを紹介」で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
FV(ファーストビュー)を最適化する
FV(ファーストビュー)とは、ユーザーがページにアクセスしたときに最初に表示される画面のことです。FVはキャッチコピーや画像、CTAボタンなどの要素で構成されます。
LPではユーザーの約50~70%がFVで離脱しているといわれており、多くのユーザーがそのままLPを読み進めるかどうかをFVで判断していることがわかります。また、LPに訪れたほぼ100%のユーザーがFVを見ることになるため、FVの最適化はLPOの中で最も影響度が高い施策の一つといえます。
FVの最適化では、以下の5つのポイントに着目しましょう。
ポイント1.キャッチコピーはユーザーの悩みやニーズにマッチしているか
FVのメインキャッチコピーはLPのパフォーマンスに大きく影響します。ユーザーにとってのメリットを明確にし、端的に伝えることで、ユーザーの反応の変化が期待できます。例えば、求人マッチングサイトのLPでキャッチコピーを「第二新卒の採用を徹底サポート」としたとします。しかし、実際には第二新卒の求職者が抱える悩みの多くは「未経験でも正社員として採用されるかどうか」であるとわかりました。そこで「第二新卒・未経験でも正社員になれる」と変更することで、ユーザーの悩みを解消するキャッチコピーに近づいたといえます。このように「この商品やサービスを利用して何をしたいのか、どうなりたいのか」というユーザーの気持ちを代弁したコピーは非常に効果的です。
ポイント2.ビジュアル要素はユーザーの視覚に訴えるものになっているか
FVのビジュアル要素は、LPの内容をよりわかりやすく、より直感的に訴求するために重要な役割を担っています。ビジュアル要素、特に写真やイラストは制作者や発注担当者側の好みが出やすいものです。ユーザーにとってベストなビジュアルを手っ取り早く見つけるには、最初に使用する画像の方向性をある程度決めた後にA/Bテストを実施するのも1つの手です。複数のパターンでA/Bテストを実施し、ユーザーによりよい画像を決めてもらいましょう。
ポイント3.ユーザーがアクションを起こせる導線はあるか
「すぐに購入したい」「とりあえず資料請求したい」という意欲の高いユーザーを逃がさないためにも、FV内にCTAボタンなどのアクション導線を配置するようにしましょう。CTAボタンはヘッダーの右上や、FVの下部に配置すると効果的です。
ポイント4.集客時の訴求ポイントと、FVでの訴求ポイントにズレが生じていないか
広告文では「価格の安さ」を訴求していたのに、遷移先のLPのFVでは「品質の高さ」を訴求していた場合、ユーザーニーズに合わずに離脱してしまう可能性が高いです。ユーザーの検索するキーワードや広告文とズレが生じないように、訴求ポイントを統一させましょう。流入元によって複数のパターンでFVを用意するのも効果的です。
ポイント5.要素の数は適切か
FVの多くはキャッチコピー・画像・CTAボタンの3つの要素で構成されます。これらの基本要素に加え、「満足度97%」「売上No.1」「○○賞受賞」といった権威情報や、「期間限定20%OFF」「送料無料」といった購入や申し込みのハードルを下げるオファーを付加することで、ユーザーの意欲を大きく向上させることがあります。ユーザーにとってメリットのある情報や、信頼感を与える情報があれば追加を検討しましょう。
ただし、要素の詰め込みすぎには注意が必要です。ユーザーが数秒で理解できない量の情報は入れないようにしましょう。要素を1つずつ増やしてA/Bテストを実施してもいいかもしれませんね。
CTAを最適化する
CTA(Call To Action)ボタンとは、ユーザーに具体的な行動を促すためのボタンのことで、CVの獲得を目的としたLPにおいて非常に重要な要素です。LP内でユーザーがCVするには、ほとんどの場合CTAボタンをクリックすることとなります。そのため、CTAボタンを最適化することで、LPのパフォーマンスを向上させることが可能です。ここではCTAボタンの改善ポイントを3つ解説します。
ポイント1.CTAボタンを適切な位置に配置する
多くのLPではヘッダーの右上にCTAボタンが配置されており、FVを見た段階でアクションを起こせるようになっています。また、ヘッダーが固定されていると、ユーザーが内容に興味を持った段階でスムーズに入力フォームに遷移することができるので効果的です。そしてLPの最下部にもCTAボタンを設置するのも効果的です。LPを最後まで読んでくれたユーザーは商品やサービスに対する興味がかなり高くなっていると考えられます。そのようなユーザーを取りこぼさないために、最下部にもCTAを設置するようにしましょう。
ポイント2.CTAのキャッチコピーをコンテンツによって変えてみる
LPは上から順に1つのストーリーとして構成されているため、コンテンツごとに伝える内容も変わってきます。コンテンツの内容に連動してCATのテキストを変更することで、ユーザーの行動がより促しやすくなります。
このとき、テキストはできるだけ具体的なものにしましょう。例えば、「詳細はこちら」よりも「無料トライアルに応募する」の方がボタンをクリックした後の行動が明確になり、ユーザーにとってハードルが低くなります。
ポイント3.CTAのデザインを他の要素と差別化する
適切な場所にCTAボタンを配置したとしても、CTAが他のコンテンツに埋もれてしまってはクリックされまん。メインカラーの補色を使用したり、背景色とのコントラストに差をつけることで目立たせるようにしましょう。
一般的にCTAボタンは緑が押されやすいなどと言われていますが、必ずしもそうとは限りません。LP全体のデザインのトンマナに合わせてCTAエリアが印象的に見えることが大切です。また、色だけでなく、ボタンそのもののデザインや大きさ、テキストのフォントやフォントサイズでもCTAボタンの印象は大きく変わります。複数のパターンでA/Bテストを実施し、最もクリックされやすいCTAボタンを見つけましょう。
コンテンツの内容や順番を再構成する
コンテンツの内容を見直したり、順番を入れ替えることでLPのパフォーマンスが向上することがあります。ここでは具体的な3つの改善ポイントをご紹介します。
ポイント1.注目度が高いコンテンツに厚みを持たせる
まずはページ内のどのコンテンツがよく見られているかを調べます。調べる際にはヒートマップツールを使用しましょう。ヒートマップとは、その名の通り訪問したユーザーの興味のある部分が赤く、逆に興味の薄い部分は青く表示されるサーモメーターのようなツールです。LPでのユーザーの動きがわかりやすく可視化できるため、よりロジカルな改善の方向性が見出せます。このヒートマップツールを使用して、よく見られているコンテンツを確認し、「どのコンテンツよりもよく見られているが内容が薄い」という場合には、そのコンテンツの情報量を増やしてみましょう。
例えば、「導入事例」のコンテンツがよく見られている場合には、見出しや文章量を増やすのではなく、詳細なインタビュー内容や事例紹介などを追加することで、ユーザーはより深い情報を得ることができます。実際にコンテンツを追加してみてユーザーの反応をテストしてみましょう。
ポイント2.注目度が高いコンテンツをLPの上部に移動させる
ヒートマップで注目度が高いにもかかわらず、ページの後半にあるコンテンツは、FV近くに移動させることでより多くのユーザーに見てもらえる可能性があります。また、注目度が低く、スクロール率低下の要因となっているコンテンツはLPの後半に移動させることで、パフォーマンスを改善することができます。コンテンツの順序を入れ替える際には前後の繋がりに気を付けましょう。また、初期構築の段階からセクションの入れ替えを想定したデザインやコーティングを行っておくとスムーズに改修できます。
ポイント3.競合他社と比較して足りないコンテンツを追加する
LPの初期構築の段階で、競合他社と比較することはよくありますが、運用後も比較は大切です。なぜなら、その商品やサービスに関わる市場や外部環境は常に変化する可能性があり、それによって競合他社もページの改善を行っていることが考えられるからです。競合他社のコンテンツや構成、訴求ポイント等と比較し、自社の製品やサービスを差別化しつつ、足りないと思ったコンテンツは追加してみましょう。そうすることで、競合他社に勝てるLPへと改善することができるでしょう。
ページの読み込み速度を上げる
どれだけユーザーに刺さるLPでも、ページの表示速度が遅いのは致命的です。ページの読み込みが遅いほどユーザーにとってストレスとなり、直帰率の増加に繋がってしまいます。
表示までに3秒以上かかる場合は、すぐに改善に取り組みましょう。表示速度は無料で簡単に計測できます。Googleが提供する無料ツール「Google PageSpeed Insights」はURLを入力するだけでモバイルとPCそれぞれのページパフォーマンスを測定してくれます。修正が必要な項目や改善方法も教えてくれるため非常に便利です。取り組みやすい項目から改善してみましょう。
スマートフォンに最適化させる
ユーザーはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットからもLPにアクセスすることが多くなっています。それに伴い、現在では多くのWebサイトやLPがレスポンシブウェブデザイン対応になっています。PCとスマートフォンでは見え方が異なるため、LPOを行う際にはスマートフォンやタブレット等のデバイスごとに最適化する必要があります。モニターサイズの違いや操作性の違いなどに伴うデバイスの特徴に合わせた改修を行うことで、LPのパフォーマンスを向上させましょう。改修の際には、デバイスごとの流入数を比較し、流入の多いデバイスから優先的に取りかかることで、より大きな効果を得られます。
「10分で学べるLPO攻略術」を
無料でご覧いただけます
LPOは「ランディングページ最適化」の略で、LPを改善することでCVRを最大化させる戦略的アプローチです。
CVR改善に効果的ですが、やみくもにLP改修やABテストを行うだけでは成果に繋がりません。
LPO初心者の多くは、LPの見た目を改修することばかりに気を取られて根本的な部分の改善ができず、失敗に繋がってしまうケースがよくみられます。
LPを根本から改善し、CVRを最大化するためには「ユーザー目線」で考えることが重要です。
そこで、LPOでCVRの改善をしたいとお考えの方に向けて、ユーザー目線で考える際に最も重要な2つの観点をご紹介する資料をお届けします。
この資料をご覧いただくと、たった10分でLPOの攻略術が学べます。
ぜひ参考にしてください。
CVR改善に繋がったLPOの事例紹介
ここからは、実際のLPOによる改善事例をご紹介します。
事例1.CTAボタンを最適な場所に設置してエントリーフォーム遷移率がアップ!
課題点:ページの滞在時間が長いのに、エントリーフォームへの遷移率が著しく低いという課題がありました。さらにヒートマップツールや画面録画ツールを使用して詳しく調査したところ、コンテンツが読み込まれているにもかかわらず、ページの上部と下部に配置したCTAボタンのクリック率が低いことがわかりました。
仮説:CTAボタンがページの上部と下部にしか設置されていないため、ユーザーがコンテンツを読んでサービス内容に興味を持った時点で、どこからお問い合わせをすればいいのかわからず、離脱してしまっているのではないかという仮説を立てました。
改善施策:よく閲覧されているコンテンツの終了部分に必ずCTAボタンを設置するように改善します。さらにCTAボタンの直前に、ユーザーの意思決定を後押しするような文言を追加します。
結果:CTAボタンを最適化した結果、エントリーフォームへの遷移率が増加しました。LPの上部、または下部にCTAを設置するケースは多いですが、中部にも設置することで導線が増え、ユーザーが興味を持ったタイミングでエントリーフォームに移動できるようになります。CTAの設置個所はLPの中部であればどこでもいいわけではなく、よく閲覧されている傾向にあるコンテンツの終了部分に設置することで、コンテンツを読んで関心が高まったユーザーをスムーズにエントリーフォームに誘導することができます。
事例2.グローバルナビのメニューを簡潔にまとめることでページの離脱率が低下!
課題点:LPの隠れた問題点を発見するためにユーザーテストを行った結果、グローバルナビが設置してあるにもかかわらず、ユーザーが必要な情報へたどり着くまでに迷ったり、時間がかかってしまったりしていることがわかりました。
仮説:LPを訪問したユーザーに対して、ページ内にどのような情報があるのかを一目で伝える役割をもつグローバルナビですが、メニュー数が多すぎるとユーザーは「見にくい」「探しにくい」と感じてしまいます。さらに、人は多くの選択肢があると、その中から1つを選んで決定することを避けがちになるという「決定回避の法則」があるといわれています。メニューの数が多すぎたり、複雑だったりすると、ユーザーは選択をせずに離脱してしまう可能性があるのです。今回対象となったLPでは、グローバルナビのメニューの数が9つとなっており、ユーザーが数秒で理解できる情報量ではないと判断しました。
改善施策:グローバルナビのメニュー数を7つ→5つにまとめて、ユーザーが必要としている情報へ素早くたどり着けるように改善しました。サービスや商品について伝えたい内容がたくさんあるとは思いますが、ユーザーの決定回避を避けるためには、あれもこれもメニューに表示するのではなく、ユーザーが必要としている情報を絞り込む必要があります。ヒートマップツールを使用して分析したところ、「サービスの特徴」に次いで「他社との比較」についてのコンテンツがよく閲覧されている傾向にあることがわかりました。以前のLPでは「他社との比較」はメニューに表示されていなかったため、表示させるよう改善しました。
結果:ユーザーがグローバルナビ内のメニューを利用して、必要な情報に素早くたどり着けるようになったことで離脱率が低下しました。FV付近にあるコンテンツはよく閲覧される傾向にありますが、LPの中部にあるコンテンツは、ユーザーにとって有益な情報が記載されていても、見つけてもらえない可能性があります。必要とされている情報へワンクリックでたどり着けるように改善することで、ページの離脱率が低下しました。
事例3.流入元の訴求ポイントとLPの訴求ポイントを統一することで離脱を防ぎCVRが改善!
課題点:広告のクリック率は高いのに、CVRが思ったように伸びないという課題がありました。ヒートマップツールとアクセス解析ツールを使って分析したところ、FVでの離脱率が高く、滞在時間が極端に少なくなっていることがわかりました。
仮説:最もクリックされている広告の訴求ポイントが「価格の安さ」であるにもかかわらず、LPのFVの訴求ポイント(キャッチコピーやMV)は「品質の高さ」となっていました。価格に興味を持って広告をクリックしたユーザーが、LPに遷移してみると、FVが品質についての内容になっていたため、ユーザーの意図とズレが生じてしまい、多くの離脱を生んでいるのではないかという仮説を立てました。
改善施策:広告の訴求ポイントとLPのFVでの訴求ポイントを統一しました。また、クリック率の高い広告の検索キーワードごとに、FVのキャッチコピーを変更したLPを制作しました。
結果:特定のニーズを持ったユーザーに刺さるFVを作成することで、見込み顧客の取りこぼしを防ぐことができ、ページの離脱率が低下し、CVRの改善に繋がりました。
LPOで成果を出すために注意すべき3つのポイント
LPOを継続しても効果が出ないのは、適切な施策が行えていないからかもしれません。ここではLPOの効果を最大限に発揮するために気を付けたい3つのポイントについてご紹介します。
同時に複数のテストを実施しない
LPOに必要不可欠なA/Bテストですが、一度に複数のテストを実施してはいけません。修正したい問題点が複数あったとしても、テストの際に変更する個所は一点までにしましょう。同時に複数のテストを行ってしまうと、効果測定の際に正確な結果が得られません。改善前と改善後の数値を比較して効果のあったパターンだけを残していくA/Bテストにおいて「どこをどのように変更したからこれだけの数値になった」かがわからなければA/Bテストの本来の効果は発揮されないのです。
例えば、FVのメインキャッチコピーの変更と、CTAの追加を同時に行なってしまうと、数値の変化があったとしても、どちらがその要因となっているかがわかりません。もしCTAの追加でCVRが下がっていたとしても、FVのメインキャッチコピーの変更で効果が出ていた場合は、CTAの追加がマイナスに作用していることに気づけず、メインキャッチコピーの変更の本来の効果も明確になりません。
そのため、テストを行う際はメインキャッチコピーだけを変更したものと、CTAボタンの追加だけを行ったもの等、変更点をしっかりと区別するようにしましょう。
LPOを導入するタイミングに注意
LPOはどのタイミングで行うと効果的なのでしょうか。LPOはページに訪れたユーザーをCVまで導くための施策ですので、LPへの集客施策がしっかりと行えていない状態で実施しても思ったようにCVRが改善されない可能性があります。
そのため、LPOの効果を最大限に発揮できるタイミングは、ターゲットユーザーの集客を最適化させた後といえるでしょう。
というのも、リスティング広告やディスプレイ広告、アフィリエイト広告、動画広告などのWeb集客施策は一定のフェーズに達すると、幅広くリーチできたとしても、サービスや商品に興味関心のないユーザーにまで広告が届き、広告費がかさむわりにCV獲得ができないという状況に陥ってしまいます。広告がターゲットユーザーに行き届き、集客施策が頭打ちになったタイミングでLPOを行うと、少しのCVR改善でも大きな売上の増加が期待できるでしょう。
大幅な売上アップを目指す場合は、集客施策を最適化させたタイミングで、訪問ユーザーの取りこぼしを防ぐためのLPO施策を実施することをおすすめします。
改善の優先順位を決める
LPに問題点が複数見つかった場合、どこから実施すれば良いのか迷われる方も多いでしょう。
「5-1.一度に複数のテストを実施しない」の項目でもお伝えした通り、改善は1つずつ行い、効果測定していく必要があります。その際、取り組むべき施策に優先順位をつけるようにしましょう。CVRに大きな影響を与えていると思われる箇所から1つずつ改善していくことが成功への近道です。
多くのLPにおいて、改善の優先度が最も高い施策に「FVの最適化」、次いで「CTAの最適化」が挙げられます。
LPではユーザーの約50~70%がFVで離脱しているといわれていることからもわかる通り、多くの人がページを訪問しFVを見てから数秒でこのまま読み進めるかどうかを判断していることとなります。ユーザーをCVまで導くためには「つかみ」が最重要ですので、まずはFVを改善し、ユーザーの離脱を防ぐことから始めましょう。
そして、CTAはユーザーに次のアクションを起こすきっかけになる要素のため、優先度が高い改善ポイントです。申し込みやお問い合わせといったCVに直接繋がっているため、ページの滞在時間が長いがCVRが改善されないといった場合には、優先して取り組みましょう。
ここでは優先度の高い改善施策についてご紹介しましたが、LPによって改善すべきポイントはさまざまです。事前の分析と問題点の洗い出しを行い、影響力の大きいと思われる箇所から手をつけましょう。ただし自社のLPを社内で改善しようとするとどうしても主観的になってしまいがちで、隠れた問題点や優先して改善すべき施策が見えづらくなります。そのため、外部にコンサルタントを依頼し、客観的な視点やユーザー目線で具体的な指摘をもらうことでLPのパフォーマンスをより向上させることができるでしょう。
<参考>LPOにかかる費用相場
LPOの費用相場は、LPOの実施方法によって異なります。
以下では、LPOの実施方法別に費用相場を紹介します。
LPOの費用相場については「LPOの費用相場を徹底解説!ツール料金や代行費用を比較」でさらに詳しく解説しています。合わせてお読みください。
LPOを自社で実施する場合の費用相場
完全に自社内でLPOを行う場合、外部へ支払う費用は発生しません。
自社でLPOを行う場合は、LPの分析から改善施策立案、改修、効果測定までを内製化する必要があります。
自社でLPOを実施するには、知識やスキルのある人材を雇用する必要があります。自社にLPOの専門知識を持つ人材がいない場合は、新たに雇用するか育成するための時間コストや費用コストがかかることにも留意しましょう。
LPOツールを導入する場合の費用相場
LPOツールを利用する場合、初期費用と月額利用料金が必要です。中には初期費用が無料のサービスもあります。
一般的なLPOツールを導入する際の費用相場は以下の通りです。
・初期費用:約100,000円前後
・月額利用料金:20,000円~50,000円
機能やコストパフォーマンスを比較して、適切なツールを選ぶことが重要です。
注意点としては、LPOツールを導入しただけではLPは改善されないという点が挙げられます。LPOに関してある程度知見やスキルがなければ、最大の効果を発揮することができない場合もあります。そういった場合は、次にご紹介するLPO代行を検討してみてください。
LPO代行に依頼する場合の費用相場
LPO代行業者に依頼することで、LPの分析から改善施策提案、改修、効果測定までワンストップで任せることができます。
社内にLPOについて詳しい人材がいない場合や、LPOツールを導入したにもかかわらず上手く使いこなせていない場合、またLPOに割り当てる時間的リソースがない場合におすすめです。
LPO代行に依頼する場合の費用相場は以下の通りです。
単発のLPOサービス:約50,000円~200,000円
継続的なLPOサービス:月額100,000円~300,000円
依頼する会社や、LPの規模、対応範囲やサービス内容によってLPO代行の費用は大きく異なります。複数社のサービスを比較して、自社に最適なLPO代行業者を選びましょう。
おすすめの優良LPO代行会社5選
さいごに、LPOの外注をお考えの方に向けて、おすすめのLPO代行会社を5社紹介します。
もっと詳しくLPO代行会社を比較検討したい方は「プロが厳選!LPOコンサルティングを提供するおすすめLPO代行会社16選」をご覧ください。
株式会社ラヴィゴット:LPOのノウハウと実績が豊富
・CVRを向上させるための実践ノウハウが充実
・分析から改善施策の立案、修正まで一貫して対応可能
・LP制作からLPOコンサルティング、広告運用までトータルサポート
CVRを向上させるための実践ノウハウが充実
株式会社ラヴィゴットでは、過去4,000社以上のWeb分析診断で培った、CVRを向上させるための独自のノウハウを多数保有しています。一部の業界や業種に特化することなく、幅広い分野においてLPOコンサルティングやランディングページ制作を行っています。目標達成や課題解決に対しての参考事例や戦略が多数蓄積されているため、どのような業界・業種であっても最適なソリューションを提供することが可能となっています。
分析から改善施策の立案、修正まで一貫して対応可能
録画ツールやユーザーテストを活用した定性分析と、アクセス解析やEFOツール、ヒートマップツールを使用した定量分析の両面からLPの課題点を洗い出し、改善案を作成、改善後の効果測定まで一貫して対応しています。
LP制作からLPOコンサルティング、広告運用までトータルサポート
株式会社ラヴィゴットではLPOだけでなく、LPの制作実績も豊富で、LP制作から制作後のLPOコンサルティング、広告運用まで一貫してサポートしているのが特徴です。継続的な運用改善を見越した戦略的なLP制作で、中長期的な企業支援を行っています。
【株式会社ラヴィゴットの概要】
URL:https://www.ravigote.co.jp/services/lpo-consulting/
TEL:03-6434-9174
所在地:東京都新宿区西新宿3丁目3番13号西新宿水間ビル2F
事業内容:
・ランディングページ制作
・広告運用
・LPOコンサルティング 等
参考料金:
・LPOコンサルティング
初期料金 0円
月額料金 120,000円~(税別)
・ランディングページ制作 340,000円~(税込)
株式会社アッション:ABテストツールを活用したLPO代行
・海外製のA/Bテストツール「VWO」を活用したLPO代行の実績が豊富
・Googleオプティマイズを活用したLPO施策も提供
海外製のA/Bテストツール「VWO」を活用したLPO代行の実績が豊富
株式会社アッションでは、世界4,000社、日本400社以上の導入実績を持つ海外製のA/Bテストツール「VWO」を活用したLPO代行の実績が豊富です。ツールの導入から、導入初期トレーニング、充実したマニュアル、VWOの活用セミナーなど、手厚いサポートを実施しています。
Googleオプティマイズを活用したLPO施策も提供
Googleオプティマイズは、ノーコードでのページ更新やポップアップ・CTA追従ボタンの追加、ABテストやパーソナライズを自社で実施できるツールです。株式会社アッションでは、ABテストツール「VWO」だけでなくGoogleオプティマイズの導入や環境構築によるLPOサポートを行っています。
【株式会社アッションの概要】
TEL:03-6420-0612
所在地:東京都渋谷区桜丘町29-36 徳力ビルB1-B
事業内容:
・Webマーケティング事業
・メディア事業
参考料金:
・通常プラン
サポートは月3回まで無料対応、テスト可能ドメイン数・登録ユーザー数上限なし
150,000円/月~
・サポートプラン
実装代行・分析などサポート内容は要相談、テスト可能ドメイン数・登録ユーザー数上限なし
300,000円/月~
株式会社オズ・リンク:LPOに特化した10年のノウハウ
・LPOに特化した10年のノウハウ
・集客に特化したLP制作の実績が豊富
LPOに特化した10年のノウハウ
株式会社オズ・リンクは、10年間のLP制作で培ったノウハウを活かしたLPOコンサルティングを提供しています。LPOノウハウを軸に、新しいトレンドを取り入れたクリエイティブを提案しているのが特徴です。
集客に特化したLP制作の実績が豊富
化粧品から、学校、不動産など、幅広い商材のLP制作実績が300件以上あるのが強みです。商材を深く分析・調査し、ユーザーに刺さる訴求ポイントを導き出すことで、成果に繋がるLPを制作しています。
【株式会社オズ・リンクの概要】
TEL:075-334-8562
所在地(本社):京都府京都市中京区手洗水町651-1 第14長谷ビル6F
事業内容:企業向けマーケティング支援事業
参考価格:要問合せ
株式会社シード:LPOコンサルと広告運用に強み
・LPOコンサルティングから広告運用までサポート
・効果測定やA/Bテストを通じた効果改善が得意
LPOコンサルティングから広告運用までサポート
株式会社シードはアフィリエイト広告やリスティング広告の運用や改善に強みを持っており、広告とLPOの両面からコンバージョン率の最大化をサポートしているのが特徴です。
効果測定やA/Bテストを通じた効果改善が得意
株式会社シードでは、A/Bテストやヒートマップを活用してLPを改善し、PDCAを継続的に回す施策を提案しています。某化粧品会社のLPO施策では、コンバージョン率を約5.3倍にまでアップさせた事例を持っています。
【株式会社シードの概要】
TEL:03-5216-2055
所在地:東京都千代田区飯田橋2-14-2 雄邦ビル3F
事業内容:
・インターネット広告
・デジタルマーケティング
・WEBサイト制作 等
参考料金:要問合せ
株式会社リスティングプラス:複数のツールを活用したLPOコンサルを提供
・あらゆるツールを用いたLPOの実績が豊富
・1000社以上のWeb広告運用代行の実績
あらゆるツールを用いたLPOの実績が豊富
株式会社リスティングプラスは、ABテストツールやヒートマップツール、EFOツール等あらゆるツールを駆使したLPOコンサルティングの実績が豊富です。CVRを高めるための充実したサポート体制が魅力のひとつです。
1000社以上のWeb広告運用代行の実績
同社ではLPOコンサルティングに加え、リスティング広告やFacebook広告等のWeb広告の運用実績が豊富です。1,000社以上の集客実績から生み出した最先端のノウハウを使って、コンバージョン数の最大化、大幅な売上アップに繋がる広告運用やLPOコンサルティングを提供しています。
【株式会社リスティングプラスの概要】
TEL:03-6825-6831
所在地:東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング4階
事業内容:
・リスティング広告情報提供、リスティング広告代行
・リスティング広告コンサルティング業務
・ランディングページ・ホームページ制作
・WEBマーケティング代行、コンサルティング業務
参考料金:要問合せ
まとめ
本記事では、LPに訪れたユーザーをCVまで導くための改善を行い、CVRを高める施策「LPO」について解説しました。LPのパフォーマンスを最大化させるためには「分析→仮説→検証」を繰り返し、PDCAを回し続けることが重要です。
また、LPOは大規模なサイト改修などと比べ、より少ない負担で大きな成果を生み出すことが期待できます。既存のLPのCVRを高めたい、集客施策の費用対効果を改善したいとお考えの方は、これを機にLPOを行ってみてはいかがでしょうか。
「10分で学べるLPO攻略術」を
無料でご覧いただけます
LPOは「ランディングページ最適化」の略で、LPを改善することでCVRを最大化させる戦略的アプローチです。
CVR改善に効果的ですが、やみくもにLP改修やABテストを行うだけでは成果に繋がりません。
LPO初心者の多くは、LPの見た目を改修することばかりに気を取られて根本的な部分の改善ができず、失敗に繋がってしまうケースがよくみられます。
LPを根本から改善し、CVRを最大化するためには「ユーザー目線」で考えることが重要です。
そこで、LPOでCVRの改善をしたいとお考えの方に向けて、ユーザー目線で考える際に最も重要な2つの観点をご紹介する資料をお届けします。
この資料をご覧いただくと、たった10分でLPOの攻略術が学べます。
ぜひ参考にしてください。
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